会期:2021年11月1日~2021年12月5日
会場:Shop & Gallery 竹生園(2階大広間)
高野竹工の原点である竹とそこから生まれる華道具、茶道具に焦点を当てた展示を開催しました。自然のままの竹という素材を感じられるように油抜きなどの処理を行なっていない青竹を会場の大広間内に設置し、葉が萎びていく様など会期の中で竹という素材と時間の移ろいを感じられる空間に仕立てました。
会場内から外の竹林を眺めます。こちらに展示した竹は窓の外に見えている竹林から会期前に切り出されたもの。はじめは青々としていた竹の葉も日程が進むにつれ萎びて色も褪せていきました。高野竹工では特定の時期(お正月)をのぞいて殆ど青竹を扱いません。一年を通じて扱うのは殆どが油抜きされた白竹です。油抜きを経た白竹は長期にわたって殆ど色味は変化しません。いつもと違う表情を見せる竹の変化は日頃から竹に触れているスタッフにとっても新鮮な経験でした。
日々、竹の管理をしながら弊社の中で一番竹に近い場所で仕事をしているスタッフの日記からの抜粋。実際に竹林の中で季節や気候の変化を五感で感じているスタッフにしか感じられない些細な変化や竹林の表情を切り取った内容は非常に読み応えのある内容でした。
会場では高野竹工のスタッフが実際に竹林で竹を切って運び出す様子を撮影した映像をプロジェクターで映写しました。一見しただけでも大変な力仕事の中で、些細な自然環境の変化を敏感に感じ取る感覚の鋭さにはただ驚かされるばかりです。
また会期中にはこの会場を使って中国茶の茶会も開催され、竹を眺めながら竹の器を使いお茶と温かい中国風のお粥を参加者の皆様が楽しんでいました。こちらのイベントの様子は別の記事でまとめていますので、ぜひこちらもご覧ください。
イベントで展示されていた資料や作品の一部は通常の営業時でも高野竹工の直営店Shop & Gallery 竹生園で見ることができます。茶道具から日用雑貨まで幅広く展示、販売していますのでお気軽にお越しくださいませ。