茶杓づくりワークショップ体験

茶杓づくりワークショップ体験

2021年11月13日(土)・27日(土)に開催した茶杓づくりワークショップに参加したスタッフによる体験レポートです。

 

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会場となる竹生園は長岡天神の境内にあります。木々が少し色づき始めた八条が池が綺麗でした。

会場に入ると一人一人の席に治具とテキスト、基本の道具が全てセットされているので手ぶらで参加していただけます。

 


まずは荒曲げした素材を選ぶところから始まります。同じように見えても一つも同じものはありません。どんなのが好きか、人の選んだものを見るのも楽しい瞬間です。

そしてとても大切な、道具の扱い方。小型ナイフや小さな鋸でも、作業に夢中になってくるとうっかり怪我につながります。しっかり教わって、ぐっと気持ちが引き締まります。

小さな茶杓に削るポイントがたくさんあり、また本物の竹は一つひとつクセもあるのでなかなかテキスト通りにはいきませんが、堺さんの言葉とデモンストレーションで美しく仕上げるコツを丁寧に教えてもらって納得します。それでも実際はその通りに削れません。

「あれ、右と左が違う・・・」
「こんなに削っちゃいましたー」

とどんどん思惑とは違うところへ・・・小さな素材と格闘しているうちに夢中になってしまいます。その度に「これは削りすぎやったねえ」「ちょっとずつちょっとずつやっていったら大丈夫」「ナイフの向きをこうしたらええですよ」と原因と解決法をレクチャーしてくださる堺さん。多少のことがあっても軌道修正してくださるので安心できました。



仕上げは、二種類のやすりがけで形を整え滑らかにし、トクサという植物を水に浸したもので磨きあげます。トクサで磨くと艶やかさが加わり、できたときの満足感が違います。昔の人の知恵や道具はシンプルですが自然との一体感があって触っているだけでも心地よいものです。

 


最後に荒曲げを実演してくださいました。この日はまだ十分に水に浸っていないものでしたが、割れも焦げもせず滑らかに曲がっていく様子に思わず声が上がります。


 

ホッと一息。竹生園の竹藪越しにお抹茶とお菓子をいただきました。

それぞれに出来上がった茶杓を見比べるのも楽しい時間。寸法は同じでも、これだけそれぞれ個性の違う茶杓ができあがることが面白く、削る道具に個々人の美意識が現れる茶道の奥深さを感じます。今日参加のお二方ともお茶を習われていて、とても熱心に講座を受けてくださいました。ありがとうございました!

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